R&Dから生まれた画像生成AIサービスを紹介します!

 こんにちは、ELEMENTSのR&Dグループで画像生成AIをメインで担当している藤澤です。 今回は私たちが取り組む画像生成AIサービスについての紹介をさせて下さい。

自己紹介

 今回初めてのエンジニアブログ登場のため、簡単に自己紹介させていただきます。

 私は東京大学の大学院でロボット工学、特に機械学習や画像認識の技術について学び、新卒でDeNAに入社して、プラットフォーム事業や新規事業のエンジニアをやってきました。その後、大学時代の先輩でもあったELEMENTS CTOの大岩さんに誘っていただきELEMENTS(当時はLiquid)と出会い、様々なR&D案件の開発や事業の立ち上げを経験してきました。

 現在はR&Dグループの生成AI事業のリーダーとして本日紹介するSugeKaeの開発責任者となり事業開発を進めています。

サービスが生まれた背景

 2023年4月頃から生成AIの領域で会社として新規事業を立ち上げるプロジェクトをスタートしました。     

 弊社は認証に限らず、衣・食・住のドメインで広く事業を展開しているため、最初は画像に限らず言語や音声、動画なども含め、可能性のあるものを複数模索していました。実際にChatGPTでプロトタイプを作るなど手を動かしながら検討を進めていました。

 いくつかあったアイデアの中で、市場規模やスケールの可能性、自社の強みを活かすことを考えた結果、第一弾としてアパレル × 画像生成AIの領域でプロダクトを作っていく意思決定をして、2023年7月頃にR&Dから実用化に向けたサービス開発が本格的にスタートしたのです。

 企画の段階からアパレル業界を代表する数社とコミュニケーションを重ね業界の商習慣について理解を深めながら、どのように生成AIを活用して現場業務に貢献していくか、アパレル業界の現場に携わる方にも話を聞きながらサービス作りを進めて、2023年11月に「SugeKae」という名前でサービスをリリースしました。

elementsinc.jp

SugeKae

サービス内容

 「SugeKae」は、一言でいうと「アパレルEC事業者向けに特化した画像生成AIツール」になります。このサービスではアパレルEC事業者様の撮影や画像編集をサポートすることでコスト削減に繋げたり、コーディネート画像を量産し販売機会を拡大することにより生産性の向上や事業利益に貢献します。

 また、今後のサービス展開の可能性として、ツールに閉じるのではなく、ECサイト内で使っていただけるようなサービスも提供していきたいと考えており、将来的には個々のユーザーに最適なコーディネートを提案できるようなサービスに発展していけたらと考えています。

 それは私たちのコミットメントにもある「Know You, Fit You!」という個人最適化の実現につながると思っています。

SugeKaeサービスページはこちら

開発体制

 サービスの開発体制としては、エンジニア5名、デザイナー2名、プロンプトデザイナー1名、BisDev3名の11名体制で行っています。

 それぞれが専門性を発揮しながら、チームで意見を出し合いながらものづくりをしているのが当社の特徴です。

 会社全体の組織形態としては、基礎研究という目的ではなくビジネスを生み出すためのR&Dチームがベースにあり、今まで蓄積してきた技術資産やノウハウを活用しつつ、R&Dフェーズから実際にサービスを開発するタイミングでサービスを専門に開発するプロジェクト体制が作られています。

仕事の楽しさ

 生成AIは性能こそ飛躍的に伸び世界に大きな衝撃を与えたものの、まだまだ実際に日々の生活の中で活用されていない状況があると考えています。その社会実装における問題を解決していくことはR&Dエンジニアとして凄く挑戦しがいがあり、楽しいことだと思っています。

 また、実際に現場で活用されている中でフィードバックを受けることで、研究や趣味の開発に閉じているとなかなかたどり着けない新たな課題やニーズも発見でき、それを解いていくのも楽しいと感じています。

 生成AIを実用化していくには生成AIの知識や技術はもちろん、業界のドメイン知識が必要で「SugeKae」でいえば、撮影やファッションのプロの方たちと仕事をすることになるのでそこからの学びも多いです。

自社だからできること

 他社が作ったAPIやソフトウェアをただ使うだけではなく、必要に応じてデータセットを用意して学習したり、自前で必要な処理を実装して問題解決に当たっているのは画像処理やR&Dを長年やってきた会社ならではかなと思います。

 また、アパレル領域に詳しい人間や関係者が社内に多く、会社としても長く携わっている領域なので、業界の本質的なニーズを掘り出していけることもしやすい環境です。

 このように、当社ではR&Dで複数の事業を展開してきた背景もあることから、事業 × 技術をうまくバランスしながら、新規事業を生み出す文化があることも大きいです。

今後R&Dで取り組んでいくこと

 まずは生成される画像のクオリティ(自然さ)や、生成されるアイテムと実物の一致度をさらに高めていくことが目の前にある課題です。生成速度を向上させ、GPUコストを下げていくことも実際のサービス提供ではとても重要なことなのでそちらも継続してやっていきます。

 近い将来には、最近急速に進化している動画の領域やリアルタイム生成の領域のサービス活用にも挑戦していきたいと考えています。

 また、まずは画像生成に集中するという判断をしていますが、最終的にはユーザーに価値を届けることが何よりも大事だと思っているので、進化の続くLLMやその他のAIの導入も継続して検討・挑戦していくつもりです。

求める人物像

 現在は、画像生成のコアの部分をいっしょに開発してくれる画像生成AIエンジニアと、作ったアルゴリズムをいい感じに運用してくれるMLOpsを募集しています。それぞれの詳細は求人ページを参照していただければと思います。

 会社の組織としては、全従業員の約75%にあたる社員がエンジニアで構成されていて、中堅からベテランエンジニアが比較的多く、リモートワーク中心な働き方であることから、アウトプット重視でコミュニケーション能力も問われる環境です。

 求める人物像としては「技術が好きで、新しい技術を活かして新しいものを作っていきたい人」をイメージしています。

 自分が作っているプロダクトはもちろん、新しい技術にも興味があって普段から論文を読んだり実際に手を動かして試したりして、どんどんキャッチアップしながらプロダクトづくりに活かしていく、もちろんその技術の質を見極める力は必要になりますが、まずは興味を持つという、ある意味“ミーハー”であることはとても大切だと考えています。

 あとはまだまだ立ち上げフェイズで困難なことも多いので、お互いに敬意を払いながらサービスの成功を目指して建設的なコミュニケーションがとれる人であってほしいと思っています。バックグラウンドの異なる様々なステークホルダーとのコミュニケーションが求められるので、「技術力さえあれば良い」という考え方では難しいと思います。

We Are Hiring !!

一緒に働く仲間も募集中です! まずは話を聞いてみたいということでも構いません。

少しでもご興味を持っていただけたら下記の求人よりエントリーいただけると嬉しいです!

求人情報

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